「風俗は究極の接客業だね」という風に言われるとセリナは微妙な気持ちになるらしい。
セリナというのは一緒にロボットデリヘルを立ち上げて、今うちの店長をやってもらっている女だ。
元々、バリバリのキャストだ。
だからそんな事を思ったりするんだろう。
風俗は究極の接客業だ、という言葉はそもそも褒め言葉なんだろうか。
例えばTBSのSASUKE。究極のスポーツなんて言われ方をよくするが、それに似ていると思う。
この「究極の」という所は結局、嫌味なんじゃないだろうか。
「風俗は接客業だ」「SASUKEはスポーツだ」という風な言葉の微妙な違和感。
風俗とかSASUKEを心のどっかで蔑んでいる。その蔑みが「究極」とかいう冠をつけてごまかされているような気がする。
究極という言葉を一々つける事によって、一般の人からマウンティングを受けている様な気持ちになるから微妙な気持ちになるんだと思う。
僕は18歳から20歳の頃、AV業界でADをしていた事がある。
浪人生だった僕をAV業界に入りたいという気持ちに搔き立てたのは『普通の映像の世界よりもAVの方がアダルトな事をやっていいという意味で自由度が高いから、表現する幅が大きいはずだ!』という考えからだった。
2年くらいでやめてるので全くエラそうな事は言えないが、入って思ったのは、別にAVの世界じゃなくても表現しようと思えばなんだって出来るという事だ。
逆にAVだから出来ない事も沢山ある。
AVを究極の映像表現の場だ、という風に言ったら完全に笑いを取りに行っている様に聞こえてしまう。そんなものだと思う。
いってしまえば、全ての仕事は『究極』で『特別』なのだ。
にも関わらず冠をつけられてしまうこの業界というのは、やっぱり蔑まれているんだと思う。
蔑まれてるから高いお金お客様が払って頂ける訳だから、どんどん蔑んでもらっていいと思う。
我々なんてろくな人間じゃないし、ろくな人間だと思われるのも癪な捻くれたやつらの集まりなのだ。
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